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為替介入
友人のAさんと「為替介入」をめぐって、討論しました。
「昔の外為特会には、剰余金による積立金に加え、為替の評価損ではなく評価益があった。文字通りの巨額な埋蔵金が存在していたのである。おかしくなったのは小泉政権下03年から04年にかけての常軌を逸した35兆円もの為替介入からである。
特に03年は、為替介入にかかわらず為替レートがずっと118円から119円で推移しており、決して円高ではなかった。それにもかかわらず政府・日銀は果敢に円売り・米ドル買い介入を行った。これが大きな謎である。
(中略)
小泉政権下での03年から04年にかけての巨額な為替介入の謎についてはいくつかの説がある。一つはイラク戦争を始めた米国への資金援助という話がある。しかし介入金額がとてつもなく巨額なことを考えると、これは有りえない話と筆者は思っている。
過去に何回か取上げたように、筆者は、03、04年の35兆円の為替介入は輸出増大を通じた景気対策と見ている。ただ介入前の円レートは、デフレが続く日本にとって決して円高と言える水準ではなかった。円高ではなかったから巨額の為替介入を行ってもほとんど円安にはならなかったと考える。
しかし円安にならなくとも、景気対策であったからかまわなかったとも言えるのである。為替介入によって米国に資金を渡し、米国に購買力がつけば目的が達成する。事実、直接的な日本の対米輸出は増え、さらに中国の対米輸出が増えることによって間接的(部品などの資本材の対中輸出が伸びた)に日本の輸出が増えた。
07年の米国のサブプライム問題が発生するまで、輸出が伸びることによって日本の経済は底堅く推移した。内需関連の産業は依然低迷していたが、輸出企業が集まる名古屋を中心とした東海地方の景気は比較的好調であった。筆者は、これを03、04年の35兆円の為替介入の効果と考える。」
http://www.adpweb.com/eco/eco629.html
以上、経済コラムマガジンより引用
チャリ77:僕は、経済コラムマガジンの筆者の荒井氏が35兆円もの巨額の為替介入をおこなった理由を挙げていますが、
何言ってるのか、よく理解できません。
亀井静香などの保守系の議員が、米国債の購入=米国への支援を批判することはできないので、このような珍説を述べたとしか思えません。
なぜ、35兆円もの巨額の為替介入をおこなったのか。
その理由は、推測でしかないのですが、
やはり、米国のイラク侵攻を財政面で支援しなければならなかったことが、最大の要因だと思います。
日本は、イラクを攻める時に、自衛隊を派遣することはできないので、
米国の同盟国、属国として米国債を購入して、間接的に支援したというのが、事実だと思います。
Aさん:ぼくも、03年、04年の35兆円の為替介入について、荒井彰が推測している介入理由が、ほとんど理解できなかったくちです。
まあ、もともと文章というものは、特に意識せずとも視点、視野、視座といった観点が特定されてしまいますし、それに準じて文脈も方向づけられてしまうものです。
このため、文章の流れから関連する話題が割愛されてしまうことや、強調するために単純化して記述したりするようなことが、ほとんどの文章でありえます。
ということで、経済コラムマガジンもそのあたりをある程度許容しながら評価したいとは思っています。
「03年は、為替介入にかかわらず為替レートがずっと118円から119円で推移しており、決して円高ではなかった。それにもかかわらず、政府・日銀は果敢に円売り・米ドル買い介入を行った。これが大きな謎である。」
というセンテンスで言うと、03年は1月から7月までの半年以上、為替レートが118年から119円を推移していたので、これを「ずっと」と表現したのでしょうね。
1年のスパンでみればレート幅は大きくなり確かに誤りですが、このあたりは書き手の意図をどう汲むかでしょうか。
それと、円高に対する評価ですが、前年(02年)に123円台後半まで急騰した円高の是正で4兆円もの介入を実施している。つまり02年の段階では123円が円高として評価されていたのだから、03年の為替レートの118円から119円が円高ではなかったという理屈はおかしい! というのはその通りだと思います。
ただ、何となくなんですが、荒井彰の記述は、小泉政権を単に批判するためとは思えないのですね。
なので“円高ではなかった”説は、「外為特会の31兆円の評価損」というコラムが書かれたの2010年8月時点の円高水準を前提に、過去を振り返って評価してしまった誤りなのではないかと、ぼくは思っています。
というのは、常軌を逸した巨額な為替介入としながら、介入を行った理由については「イラク戦争を始めた米国への資金援助という話がある。しかし介入額がとてつもなく巨額なことを考えると、これは有りえない話と筆者は思っている。」と有力な小泉政権批判説をはっきり否定していて、「輸出増大を通じた景気対策と見ている」という、肯定的にもとれるよくわからない記述になっているからです。
それはともかく35兆円という巨額な為替介入の本当の理由は「米国のイラク侵攻への財政面での支援」なのでしょうか。
90年の湾岸戦争の時の日本の財政支援は全体で135億ドルだったらしいですが、当時としても2兆円弱ですね。
03年は、90年から十数年経っているとはいえ、戦争の財政支援としては確かに額が巨額すぎると思います。
でも、全く関係ないとは言い切れないですからね。
ちなみに35兆円の為替介入は別名「テイラー・溝口介入」と言われているわけですが、このアメリカの財務次官だったテイラーは、後に「グローバル金融戦士」という本を出版しています。
日本では「テロマネーを封鎖せよ」というタイトルで出版されているようです。
その本によれば、日本の「量的緩和」を支援することがブッシュ政権の政策方針だったと回顧しているそうで、
日本経済が強ければ、日本はアメリカなど同盟国とともに、安全保障や開発援助で主要な役割を果たすことができると考え、米国は事実上介入を容認したということだそうです。
自国中心主義のアメリカの言い草?っておもわず笑っちゃう感じですが、これが公(米国お墨付き)の理由なんだとしたら、間違いなく真意は別にあり、君が推測している理由が半分くらい確からしく思えてきます。
でも巨額すぎる。
で、結局確信は持てないって感じでしょうか。
それと、根本的な疑問なんですが、為替介入って本当に効果があるのでしょうかね。
円高とは円が人気があるってことですよね。為替市場でドルやユーロを売って円を買う人が多いから、少しづつ円高になるのですよね。
為替介入は政府が税金を使って円の価格を無理やり変更させようとするウルトラCですよ。
でも、為替市場がそれを望んでいなければ、一国で一次的に介入しても、すぐ元通りになるのは目に見えているような気がするわけです。
現にあの03年、04年のテイラー・溝口介入も、結局トレンドを変えることができなかった、というのが大方の評価のようですし。
チャリ77:
湾岸戦争の戦費は、「戦費約600億ドルの内、約400億ドルはサウジアラビアから支払われた」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B9%BE%E5%B2%B8%E6%88%A6%E4%BA%89
ウィキペディアより引用。
それに対して。イラク侵攻の戦費は、諸説がありますが、
66兆円から約305兆円になるとの試算もあるようです。
やはり、戦費の額が湾岸戦争とは比較にならない。
イラク侵攻の戦費は、
『米国の著名経済学者、ジョゼフ・スティグリッツ(Joseph Stiglitz)氏は新著のなかで、米国のイラク戦費が少なくとも3兆ドル(約305兆円)に達するとの見方を示した。
(中略)
イラク戦争における米国の出費は、12年にわたったベトナム戦争をすでに上回り、朝鮮戦争の2倍以上に膨れ上がっていると指摘した。
「米国史上、イラク戦争の戦費を上回った唯一の戦争は第2次世界大戦だけだ。4年間にわたり1630万の米兵が戦った第2次大戦の戦費は2007年の貨幣価値でおよそ5兆ドル(約510兆円)に上った」(同書から)
(中略)
世界銀行(World Bank)のチーフエコノミストを務めたスティグリッツ氏は2001年にノーベル経済学賞を受賞している。共著者のブリムズ氏は財政学が専門のハーバード大教授。この書籍は米国のイラク開戦から丸5年を迎える前に出版された。』
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2362677/2722117のサイトより引用。
また、ジョン・B・テイラー著/中谷和男訳
「テロマネーを封鎖せよ/米国の国際金融戦略の内幕を描く」日経BP社刊について、言及しているサイトがありました。
http://electronic-journal.seesaa.net/article/111857994.html
以下、「Electronic Journal」より引用させていただきます。
『 この本の原題は「グローバル金融の戦士たち」といい、本の内
容はこちらの方が合っていると思います。テイラー氏はこの本の
中で、日本のデフレ脱却策として日銀にアドバイスし、次の2つ
の政策が行われたことを明らかにしています。
―――――――――――――――――――――――――――――
1.量的緩和政策実施
2.大規模な為替介入
―――――――――――――――――――――――――――――
金融政策というのは、ほとんどは金利――短期金利を目標にし
て行われるのです。中央銀行が短期金利を上げたり、下げたりし
て金融政策を行うのです。したがって、この金利のことを政策金
利といっています。
しかし、ときにはマネーサプライを目標して行われることがあ
るのです。例えば、1970年の終わりから1980年のはじめ
にかけて、FRBが行ったインフレ撲滅策がそれです。
インフレを撲滅させるには、マネーサプライの伸びを抑制して
金利を上げるのです。そうすればインフレ率は低下します。デフ
レの場合は理論上はその逆になります。マネーサプライの伸びを
促進し、金利を下げるのです。これが量的緩和政策です。
しかし、インフレ撲滅策としての実施例はあるのですが、デフ
レのケースはそれまで行われたことはないのです。それにインフ
レ抑制の場合と違い、金利がゼロ以下にならない制約があるため
効果発揮への期待が疑問視されていたのです。
そういうこともあって、テイラー財務次官としては日銀にそれ
を実施させ、日本のデフレを何とか克服させたかったものと思わ
れるのです。しかし、日銀内部には量的緩和政策に反対する者も
多くいて、その実施が中途半端になってしまったのです。
それに対して、テイラー財務次官の打ち出したもうひとつの政
策である「大規模な為替介入」については、ほぼテイラー氏の考
えた通りに実施されたのです。それは溝口財務官がテイラー次官
と綿密な打ち合わせのもとに為替の介入を行ったからです。何し
ろ、溝口財務官は、介入の規模やタイミング、出口政策にいたる
まで、テイラー次官のアドバイスを受けており、溝口財務官の方
も電子メールを使って細かな報告をテイラー次官に上げていたと
いうのです。そういう意味では、まさに主権在米経済そのもので
あったといえます。
テイラーのアドバイスのもとに溝口財務官の行ったドル買い円
売り介入は、「非不胎化介入」といわれるものなのです。普通は
為替介入が行われて円が市場に放出されると、その都度日銀は同
額の売りオペを行って円資金を市場から吸収してしまうのです。
これを「不胎化介入」というのです。
「非不胎化介入」の狙いは、市場に放出した金をそのままにし
ておくことによって、マネーサプライが増加し、デフレ脱却に効
果をもたらす金融政策なのです。』
Aさん:このブログを見れば、ジョン・テイラーの著作を読まずとも、必要な情報は大方収集できるのではないかと感じたしだいです。
とにかくテイラーの詳細なアドバイスのもと為替介入を進めてきた状況を、「主権在米経済そのものであった」とまとめたのは素晴らしい総括だと思いましたね(笑)。
ただ、もやもやする点も幾つか存在します。
1つはテイラーが何故、日本のデフレ脱却にそれほどこだわったのかです。
アメリカの財務次官である以上、テイラーのなすべき仕事は、第一義的にアメリカのメリットになる政策を実施することです。そのあたりが、このブログだけではわかりません。
ブログの最初のところに、当時のアメリカはドル安だったからとあるのですが、35兆円もの為替介入で、そのほとんどがドル買い円売り介入だったわけですから、この介入がうまくいった場合、相対的に円安ドル高に進む可能性があるわけで、その場合でもアメリカの輸出に影響は出ないという判断がなりたったのでしょうか。
まあドル建ての米国債を大量に購入してもらえるわけですから、外貨建てに比べればリスクはないし、資金調達もできるという意味では、アメリカにとってもメリットがあったというのはわかる気がしますが。
もしかしたら、テイラーが純粋に学者としての立場から自身の理論を実証したかっただけなのかもしれません。他国のことだから、責任を負うことなく実験ができるので(笑)。
もう1つは、『テイラーのアドバイスのもとに溝口財務官の行ったドル買い円売り介入は、「非不胎化介入」といわれるものです。普通は為替介入が行われて円が市場に放出されると、その都度日銀は同額の売りオペを行って円資金を市場から吸収してしまうのです。これを「不胎化介入」というのです。「非不胎化介入」の狙いは、市場に放出した金をそのままにしておくことによって、マネーサプライが増加し、デフレ脱却に効果をもたらす金融政策なのです。』とあるのですが、これが正直よくわからない。
ドル買い円売りの為替介入は、為替市場におけるドルの量を減らし、円の量を増やすことでドル高・円安トレンドを目指すものです。
これを実行する場合、まずは大量のドル買いが必要になるわけですが、その際のドル買い資金はどこから調達するのでしょう。
言うまでもなく短期の国債を発行してそのほとんどを国内市場から調達するわけです。
つまり35兆円もの国債を発行し、国内市場から35兆円の円資金を吸収するのですから、普通に考えてマネタリーベースは減ることになるとぼくは思います。
もちろん、その後に為替市場でドル資金を吸収して、円資金を放出するわけですが、どうもぼくには、いったん円資金を吸収して、その後に放出するというこの手法が、円資金総量を大幅に増やすようには思えないわけです。
「不胎化介入」(=円を放出してから後で吸収する手法)とは円の増減の順序が逆になるだけで、結果として同じ状況が招来すると思えるのです。まあ、ドル資金は減るので、その分の効果はあるかもしれませんが。
チャリ77:溝口・テーラー為替介入について、高橋洋一氏が現代ビジネスに記事を書いています。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/27252?page=3
『多少為替市場を知っている人は、小泉政権時代に溝口・テーラー為替介入があったというかもしれない。実は、その政策は、日銀が頑として金融緩和せず、財務省も為替介入の効果があると世間に思ってもらいたい両者の願望を叶える苦肉の策だった。
財務省の介入は政府短期証券(為券)を発行して外貨債を購入するという「財テク」と同じ方法だ。その際、政府短期証券が発行されるので、放っておくと短期金利が上昇する。量的緩和政策をとっている日銀は、いやでも市場に出た政府短期証券をある程度買い取って、その代わりにマネーを供給せざるを得ないのだ。
(注)このオペレーションを、マーケット関係者は非不胎化とかいうが、この用語は1999年より前の政府短期証券について全額日銀引受制度を前提(この場合、金融政策の中立性のために「不胎化」オペレーションが必要)としているので、今のように政府短期証券について政府短期証券について市中引受制度(この場合、金融政策の中立性のためにオペは必要でない)では、適当とはいえない。
介入のために市中に発行された政府短期証券30~40兆円のうち半分近くは日銀が買い取りした。その分、ベースマネーが増加して、円安になったのだ。介入をしても日銀が政府短期証券の買い取りを行わない限り(今の制度はそれが可能)、ベースマネーは増加せず、円安を維持することはできない。』
2001年3月から2006年3月までの5年に及ぶ日本の量的緩和策は、2004年1月には30兆円から35兆円にも及びました。
日本の量的緩和策とゼロ金利政策は、円安へと誘導するものであり、実質的な為替介入なので、
本来なら米国にとっては容認できないものであるはずです。
それが、米国のお墨付きをもらえたのは、裏で密約があったからに他ならないと思います。
米国は、イラク侵攻で巨額の軍事費が財政を圧迫していました。
そのために、日本が米国債の購入をすることによって間接的に支援してもらう必要があったのではないでしょうか。
一方、日本は、なんとしてもデフレからの脱却と
景気を回復させるためにも、輸出を増進させたかったのではないか。
そのためにも円安に誘導したかったのではないでしょうか。
そして、そこで、両者が合意したんだと思います。
また、外為特会の問題は、外部から実態が見えにくいことです。
外為特会の評価損は、今の円高の水準だと、40兆円を超えると指摘されています。
ただ、リーマンショック前までは、日本国債より米国債の方が金利が2.5%から4%前後高かった。
米国債で運用したほうが利回りが良かったことも事実だと思います。
しかし、為替介入した時のドル円レートが、一番損益に影響することは、
FX取引などの外貨の取引をしたことがある人なら、誰でもわかることです。
さらに、金利の変動を考えると、購入した米国債が、短期債なのか、それとも中長期債なのかによって、
損益に大きく影響してきます。
例えば、米国債の10年物を118円で購入したとします。
年利が4%ならば、10年後の満期の時点で78円であるならば、差し引きゼロになるので、損失は発生しません。
民間なら、為替取引をして会社に大損失を与えたならば、即解雇でしょう。
外為特会も、もっと情報を開示すべきだと思います。
国の資産ということは、国民の大切な資産なんだから、
損益を明確に開示すべきではないでしょうか。
また、新聞では、今のような円高になると、必ず外為特会の評価損が問題になります。、
しかし、運用益を入れると、累計の収支では、それほどのマイナスにはなっていないようです。
さらに、円高は、日本の金融資産はもちろんのこと非金融資産も増大していることになります。
日本全体の資産から考えると外為特会の評価損は小さなものでしかないように思えます。
問題は、外為特会の運用がドルに偏重し過ぎていることです。
いくらドルが基軸通貨だとしても多すぎる。それに対して、金の保有高が少なすぎるように思います。
個人的には、日本の場合は最低でも1兆ドル規模の外貨準備は必要だと思っています。
急激な円安になったときに、日本の金融資産はもちろんのこと非金融資産も減少してしまいます。
そのときに、1兆ドルから2兆ドル規模の外貨準備があれば、為替変動による日本の富の減少を抑える働きがあるように思うのです。
そして、その外貨準備の内訳は、ドルが60%、ユーロが20%、人民元が10%、金が10%がベストだと思います。
日本政府が、2兆ドル規模の外貨準備を持つことは、様々な批判もあると思う。
しかし、日本は世界有数の地震国である。
首都直下型地震や東海地震・東南海地震・南海地震の三連動の大地震が発生したら、
東日本大震災の何倍もの被害が発生する。
また、そのような大地震が続けて発生した場合、大変な経済的損失が発生する。
その場合も、損害保険などである程度補えるかもしれない。
だが、大地震などで原発に破局的事故が発生した場合は、損害保険の対象外になってしまう。
福島原発事故でも、結局は国民が負担することになる。
原発で破局的事故が発生した場合の災害予想をした本がある。
瀬尾 健著(風媒社)
「原発事故・・・その時、あなたは!」である。
著者の瀬尾健氏は、元京都大学原子炉実験所助手をされていた方である。
この本を執筆後に、ガンで亡くなられた。
まさに、遺作ともいえる書である。
この書の中で、全国16の原発ともんじゅ、さらに核燃料輸送中の事故について、
破局的事故が発生した場合の災害予想をしている。
もっとも被害が大きいのが、人口密集地に隣接している東海第二原発だ。
東海第二原発で、破局的事故が発生した場合の急性死者は、実に60万人以上になる。
恐ろしい死者の数だ。
また、南西方向に風が吹いた場合は、
放射性物質が飛散して 、東京都を通過。
晩発性のガン発症数は,実に800万人に達する。
ただし、瀬尾健氏が著書の中で述べているように、晩発性ガン発症者の数は、放射能物質に汚染された食品や水を摂取しなかった場合である。
実際には、外部被爆より内部被爆の方が人体に影響が大きいことを考えると、被害者の数はもっと拡大するだろう。
もちろん、福島県・関東地方1都6県・新潟県の一部
山梨県の一部,静岡県の一部は強制避難区域に指定される。
こんな事故が起きたら、本当に日本は終わってしまう。
東海第二原発の災害予想については、下記のサイトを参照。
ブログ「那珂市・ひたちなか市近郊の歯科:中川デンタルクリニック」
http://blogs.yahoo.co.jp/permer4_4/26530945.html
また、「チェルノブイリ原発事故のあと、ベラルーシのミンスク市では、脊髄損傷、脳性麻痺、水頭症など、先天性障害児の出産数は膨大な数に達し、こうした重度障害児の出生率が25倍になった。」(広瀬隆氏談)
今、生きている人たちだけではなく、これから生まれてくる子供たちにも、遺伝的障害という形で被害が及ぶ。
さらに、この災害予想には、使用済み核燃料と東海再処理工場の被害が含まれていないことだ。
また、東海第二原発で破局的事故起きたら、損害賠償額は500兆円でも足りないことは明らかだ。
国の税収が40兆円前後であることを考えたときに、
財政的にも破綻してしまう。
そして、日本の国債が、デフォルトの危機に直面するであろうことは、想像に難くない。
リーマンショックやユーロ危機を凌駕する金融危機が、世界経済を襲うことになる。
事実上、東日本は壊滅状態になってしまい、
西日本にも、深刻な放射能汚染が広がるに違いない。
それでも、日本政府が、2兆ドル規模の外貨準備を持っていれば、
しばらくの間は国民の生活を支えていくこともできるかもしれない。
「昔の外為特会には、剰余金による積立金に加え、為替の評価損ではなく評価益があった。文字通りの巨額な埋蔵金が存在していたのである。おかしくなったのは小泉政権下03年から04年にかけての常軌を逸した35兆円もの為替介入からである。
特に03年は、為替介入にかかわらず為替レートがずっと118円から119円で推移しており、決して円高ではなかった。それにもかかわらず政府・日銀は果敢に円売り・米ドル買い介入を行った。これが大きな謎である。
(中略)
小泉政権下での03年から04年にかけての巨額な為替介入の謎についてはいくつかの説がある。一つはイラク戦争を始めた米国への資金援助という話がある。しかし介入金額がとてつもなく巨額なことを考えると、これは有りえない話と筆者は思っている。
過去に何回か取上げたように、筆者は、03、04年の35兆円の為替介入は輸出増大を通じた景気対策と見ている。ただ介入前の円レートは、デフレが続く日本にとって決して円高と言える水準ではなかった。円高ではなかったから巨額の為替介入を行ってもほとんど円安にはならなかったと考える。
しかし円安にならなくとも、景気対策であったからかまわなかったとも言えるのである。為替介入によって米国に資金を渡し、米国に購買力がつけば目的が達成する。事実、直接的な日本の対米輸出は増え、さらに中国の対米輸出が増えることによって間接的(部品などの資本材の対中輸出が伸びた)に日本の輸出が増えた。
07年の米国のサブプライム問題が発生するまで、輸出が伸びることによって日本の経済は底堅く推移した。内需関連の産業は依然低迷していたが、輸出企業が集まる名古屋を中心とした東海地方の景気は比較的好調であった。筆者は、これを03、04年の35兆円の為替介入の効果と考える。」
http://www.adpweb.com/eco/eco629.html
以上、経済コラムマガジンより引用
チャリ77:僕は、経済コラムマガジンの筆者の荒井氏が35兆円もの巨額の為替介入をおこなった理由を挙げていますが、
何言ってるのか、よく理解できません。
亀井静香などの保守系の議員が、米国債の購入=米国への支援を批判することはできないので、このような珍説を述べたとしか思えません。
なぜ、35兆円もの巨額の為替介入をおこなったのか。
その理由は、推測でしかないのですが、
やはり、米国のイラク侵攻を財政面で支援しなければならなかったことが、最大の要因だと思います。
日本は、イラクを攻める時に、自衛隊を派遣することはできないので、
米国の同盟国、属国として米国債を購入して、間接的に支援したというのが、事実だと思います。
Aさん:ぼくも、03年、04年の35兆円の為替介入について、荒井彰が推測している介入理由が、ほとんど理解できなかったくちです。
まあ、もともと文章というものは、特に意識せずとも視点、視野、視座といった観点が特定されてしまいますし、それに準じて文脈も方向づけられてしまうものです。
このため、文章の流れから関連する話題が割愛されてしまうことや、強調するために単純化して記述したりするようなことが、ほとんどの文章でありえます。
ということで、経済コラムマガジンもそのあたりをある程度許容しながら評価したいとは思っています。
「03年は、為替介入にかかわらず為替レートがずっと118円から119円で推移しており、決して円高ではなかった。それにもかかわらず、政府・日銀は果敢に円売り・米ドル買い介入を行った。これが大きな謎である。」
というセンテンスで言うと、03年は1月から7月までの半年以上、為替レートが118年から119円を推移していたので、これを「ずっと」と表現したのでしょうね。
1年のスパンでみればレート幅は大きくなり確かに誤りですが、このあたりは書き手の意図をどう汲むかでしょうか。
それと、円高に対する評価ですが、前年(02年)に123円台後半まで急騰した円高の是正で4兆円もの介入を実施している。つまり02年の段階では123円が円高として評価されていたのだから、03年の為替レートの118円から119円が円高ではなかったという理屈はおかしい! というのはその通りだと思います。
ただ、何となくなんですが、荒井彰の記述は、小泉政権を単に批判するためとは思えないのですね。
なので“円高ではなかった”説は、「外為特会の31兆円の評価損」というコラムが書かれたの2010年8月時点の円高水準を前提に、過去を振り返って評価してしまった誤りなのではないかと、ぼくは思っています。
というのは、常軌を逸した巨額な為替介入としながら、介入を行った理由については「イラク戦争を始めた米国への資金援助という話がある。しかし介入額がとてつもなく巨額なことを考えると、これは有りえない話と筆者は思っている。」と有力な小泉政権批判説をはっきり否定していて、「輸出増大を通じた景気対策と見ている」という、肯定的にもとれるよくわからない記述になっているからです。
それはともかく35兆円という巨額な為替介入の本当の理由は「米国のイラク侵攻への財政面での支援」なのでしょうか。
90年の湾岸戦争の時の日本の財政支援は全体で135億ドルだったらしいですが、当時としても2兆円弱ですね。
03年は、90年から十数年経っているとはいえ、戦争の財政支援としては確かに額が巨額すぎると思います。
でも、全く関係ないとは言い切れないですからね。
ちなみに35兆円の為替介入は別名「テイラー・溝口介入」と言われているわけですが、このアメリカの財務次官だったテイラーは、後に「グローバル金融戦士」という本を出版しています。
日本では「テロマネーを封鎖せよ」というタイトルで出版されているようです。
その本によれば、日本の「量的緩和」を支援することがブッシュ政権の政策方針だったと回顧しているそうで、
日本経済が強ければ、日本はアメリカなど同盟国とともに、安全保障や開発援助で主要な役割を果たすことができると考え、米国は事実上介入を容認したということだそうです。
自国中心主義のアメリカの言い草?っておもわず笑っちゃう感じですが、これが公(米国お墨付き)の理由なんだとしたら、間違いなく真意は別にあり、君が推測している理由が半分くらい確からしく思えてきます。
でも巨額すぎる。
で、結局確信は持てないって感じでしょうか。
それと、根本的な疑問なんですが、為替介入って本当に効果があるのでしょうかね。
円高とは円が人気があるってことですよね。為替市場でドルやユーロを売って円を買う人が多いから、少しづつ円高になるのですよね。
為替介入は政府が税金を使って円の価格を無理やり変更させようとするウルトラCですよ。
でも、為替市場がそれを望んでいなければ、一国で一次的に介入しても、すぐ元通りになるのは目に見えているような気がするわけです。
現にあの03年、04年のテイラー・溝口介入も、結局トレンドを変えることができなかった、というのが大方の評価のようですし。
チャリ77:
湾岸戦争の戦費は、「戦費約600億ドルの内、約400億ドルはサウジアラビアから支払われた」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B9%BE%E5%B2%B8%E6%88%A6%E4%BA%89
ウィキペディアより引用。
それに対して。イラク侵攻の戦費は、諸説がありますが、
66兆円から約305兆円になるとの試算もあるようです。
やはり、戦費の額が湾岸戦争とは比較にならない。
イラク侵攻の戦費は、
『米国の著名経済学者、ジョゼフ・スティグリッツ(Joseph Stiglitz)氏は新著のなかで、米国のイラク戦費が少なくとも3兆ドル(約305兆円)に達するとの見方を示した。
(中略)
イラク戦争における米国の出費は、12年にわたったベトナム戦争をすでに上回り、朝鮮戦争の2倍以上に膨れ上がっていると指摘した。
「米国史上、イラク戦争の戦費を上回った唯一の戦争は第2次世界大戦だけだ。4年間にわたり1630万の米兵が戦った第2次大戦の戦費は2007年の貨幣価値でおよそ5兆ドル(約510兆円)に上った」(同書から)
(中略)
世界銀行(World Bank)のチーフエコノミストを務めたスティグリッツ氏は2001年にノーベル経済学賞を受賞している。共著者のブリムズ氏は財政学が専門のハーバード大教授。この書籍は米国のイラク開戦から丸5年を迎える前に出版された。』
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2362677/2722117のサイトより引用。
また、ジョン・B・テイラー著/中谷和男訳
「テロマネーを封鎖せよ/米国の国際金融戦略の内幕を描く」日経BP社刊について、言及しているサイトがありました。
http://electronic-journal.seesaa.net/article/111857994.html
以下、「Electronic Journal」より引用させていただきます。
『 この本の原題は「グローバル金融の戦士たち」といい、本の内
容はこちらの方が合っていると思います。テイラー氏はこの本の
中で、日本のデフレ脱却策として日銀にアドバイスし、次の2つ
の政策が行われたことを明らかにしています。
―――――――――――――――――――――――――――――
1.量的緩和政策実施
2.大規模な為替介入
―――――――――――――――――――――――――――――
金融政策というのは、ほとんどは金利――短期金利を目標にし
て行われるのです。中央銀行が短期金利を上げたり、下げたりし
て金融政策を行うのです。したがって、この金利のことを政策金
利といっています。
しかし、ときにはマネーサプライを目標して行われることがあ
るのです。例えば、1970年の終わりから1980年のはじめ
にかけて、FRBが行ったインフレ撲滅策がそれです。
インフレを撲滅させるには、マネーサプライの伸びを抑制して
金利を上げるのです。そうすればインフレ率は低下します。デフ
レの場合は理論上はその逆になります。マネーサプライの伸びを
促進し、金利を下げるのです。これが量的緩和政策です。
しかし、インフレ撲滅策としての実施例はあるのですが、デフ
レのケースはそれまで行われたことはないのです。それにインフ
レ抑制の場合と違い、金利がゼロ以下にならない制約があるため
効果発揮への期待が疑問視されていたのです。
そういうこともあって、テイラー財務次官としては日銀にそれ
を実施させ、日本のデフレを何とか克服させたかったものと思わ
れるのです。しかし、日銀内部には量的緩和政策に反対する者も
多くいて、その実施が中途半端になってしまったのです。
それに対して、テイラー財務次官の打ち出したもうひとつの政
策である「大規模な為替介入」については、ほぼテイラー氏の考
えた通りに実施されたのです。それは溝口財務官がテイラー次官
と綿密な打ち合わせのもとに為替の介入を行ったからです。何し
ろ、溝口財務官は、介入の規模やタイミング、出口政策にいたる
まで、テイラー次官のアドバイスを受けており、溝口財務官の方
も電子メールを使って細かな報告をテイラー次官に上げていたと
いうのです。そういう意味では、まさに主権在米経済そのもので
あったといえます。
テイラーのアドバイスのもとに溝口財務官の行ったドル買い円
売り介入は、「非不胎化介入」といわれるものなのです。普通は
為替介入が行われて円が市場に放出されると、その都度日銀は同
額の売りオペを行って円資金を市場から吸収してしまうのです。
これを「不胎化介入」というのです。
「非不胎化介入」の狙いは、市場に放出した金をそのままにし
ておくことによって、マネーサプライが増加し、デフレ脱却に効
果をもたらす金融政策なのです。』
Aさん:このブログを見れば、ジョン・テイラーの著作を読まずとも、必要な情報は大方収集できるのではないかと感じたしだいです。
とにかくテイラーの詳細なアドバイスのもと為替介入を進めてきた状況を、「主権在米経済そのものであった」とまとめたのは素晴らしい総括だと思いましたね(笑)。
ただ、もやもやする点も幾つか存在します。
1つはテイラーが何故、日本のデフレ脱却にそれほどこだわったのかです。
アメリカの財務次官である以上、テイラーのなすべき仕事は、第一義的にアメリカのメリットになる政策を実施することです。そのあたりが、このブログだけではわかりません。
ブログの最初のところに、当時のアメリカはドル安だったからとあるのですが、35兆円もの為替介入で、そのほとんどがドル買い円売り介入だったわけですから、この介入がうまくいった場合、相対的に円安ドル高に進む可能性があるわけで、その場合でもアメリカの輸出に影響は出ないという判断がなりたったのでしょうか。
まあドル建ての米国債を大量に購入してもらえるわけですから、外貨建てに比べればリスクはないし、資金調達もできるという意味では、アメリカにとってもメリットがあったというのはわかる気がしますが。
もしかしたら、テイラーが純粋に学者としての立場から自身の理論を実証したかっただけなのかもしれません。他国のことだから、責任を負うことなく実験ができるので(笑)。
もう1つは、『テイラーのアドバイスのもとに溝口財務官の行ったドル買い円売り介入は、「非不胎化介入」といわれるものです。普通は為替介入が行われて円が市場に放出されると、その都度日銀は同額の売りオペを行って円資金を市場から吸収してしまうのです。これを「不胎化介入」というのです。「非不胎化介入」の狙いは、市場に放出した金をそのままにしておくことによって、マネーサプライが増加し、デフレ脱却に効果をもたらす金融政策なのです。』とあるのですが、これが正直よくわからない。
ドル買い円売りの為替介入は、為替市場におけるドルの量を減らし、円の量を増やすことでドル高・円安トレンドを目指すものです。
これを実行する場合、まずは大量のドル買いが必要になるわけですが、その際のドル買い資金はどこから調達するのでしょう。
言うまでもなく短期の国債を発行してそのほとんどを国内市場から調達するわけです。
つまり35兆円もの国債を発行し、国内市場から35兆円の円資金を吸収するのですから、普通に考えてマネタリーベースは減ることになるとぼくは思います。
もちろん、その後に為替市場でドル資金を吸収して、円資金を放出するわけですが、どうもぼくには、いったん円資金を吸収して、その後に放出するというこの手法が、円資金総量を大幅に増やすようには思えないわけです。
「不胎化介入」(=円を放出してから後で吸収する手法)とは円の増減の順序が逆になるだけで、結果として同じ状況が招来すると思えるのです。まあ、ドル資金は減るので、その分の効果はあるかもしれませんが。
チャリ77:溝口・テーラー為替介入について、高橋洋一氏が現代ビジネスに記事を書いています。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/27252?page=3
『多少為替市場を知っている人は、小泉政権時代に溝口・テーラー為替介入があったというかもしれない。実は、その政策は、日銀が頑として金融緩和せず、財務省も為替介入の効果があると世間に思ってもらいたい両者の願望を叶える苦肉の策だった。
財務省の介入は政府短期証券(為券)を発行して外貨債を購入するという「財テク」と同じ方法だ。その際、政府短期証券が発行されるので、放っておくと短期金利が上昇する。量的緩和政策をとっている日銀は、いやでも市場に出た政府短期証券をある程度買い取って、その代わりにマネーを供給せざるを得ないのだ。
(注)このオペレーションを、マーケット関係者は非不胎化とかいうが、この用語は1999年より前の政府短期証券について全額日銀引受制度を前提(この場合、金融政策の中立性のために「不胎化」オペレーションが必要)としているので、今のように政府短期証券について政府短期証券について市中引受制度(この場合、金融政策の中立性のためにオペは必要でない)では、適当とはいえない。
介入のために市中に発行された政府短期証券30~40兆円のうち半分近くは日銀が買い取りした。その分、ベースマネーが増加して、円安になったのだ。介入をしても日銀が政府短期証券の買い取りを行わない限り(今の制度はそれが可能)、ベースマネーは増加せず、円安を維持することはできない。』
2001年3月から2006年3月までの5年に及ぶ日本の量的緩和策は、2004年1月には30兆円から35兆円にも及びました。
日本の量的緩和策とゼロ金利政策は、円安へと誘導するものであり、実質的な為替介入なので、
本来なら米国にとっては容認できないものであるはずです。
それが、米国のお墨付きをもらえたのは、裏で密約があったからに他ならないと思います。
米国は、イラク侵攻で巨額の軍事費が財政を圧迫していました。
そのために、日本が米国債の購入をすることによって間接的に支援してもらう必要があったのではないでしょうか。
一方、日本は、なんとしてもデフレからの脱却と
景気を回復させるためにも、輸出を増進させたかったのではないか。
そのためにも円安に誘導したかったのではないでしょうか。
そして、そこで、両者が合意したんだと思います。
また、外為特会の問題は、外部から実態が見えにくいことです。
外為特会の評価損は、今の円高の水準だと、40兆円を超えると指摘されています。
ただ、リーマンショック前までは、日本国債より米国債の方が金利が2.5%から4%前後高かった。
米国債で運用したほうが利回りが良かったことも事実だと思います。
しかし、為替介入した時のドル円レートが、一番損益に影響することは、
FX取引などの外貨の取引をしたことがある人なら、誰でもわかることです。
さらに、金利の変動を考えると、購入した米国債が、短期債なのか、それとも中長期債なのかによって、
損益に大きく影響してきます。
例えば、米国債の10年物を118円で購入したとします。
年利が4%ならば、10年後の満期の時点で78円であるならば、差し引きゼロになるので、損失は発生しません。
民間なら、為替取引をして会社に大損失を与えたならば、即解雇でしょう。
外為特会も、もっと情報を開示すべきだと思います。
国の資産ということは、国民の大切な資産なんだから、
損益を明確に開示すべきではないでしょうか。
また、新聞では、今のような円高になると、必ず外為特会の評価損が問題になります。、
しかし、運用益を入れると、累計の収支では、それほどのマイナスにはなっていないようです。
さらに、円高は、日本の金融資産はもちろんのこと非金融資産も増大していることになります。
日本全体の資産から考えると外為特会の評価損は小さなものでしかないように思えます。
問題は、外為特会の運用がドルに偏重し過ぎていることです。
いくらドルが基軸通貨だとしても多すぎる。それに対して、金の保有高が少なすぎるように思います。
個人的には、日本の場合は最低でも1兆ドル規模の外貨準備は必要だと思っています。
急激な円安になったときに、日本の金融資産はもちろんのこと非金融資産も減少してしまいます。
そのときに、1兆ドルから2兆ドル規模の外貨準備があれば、為替変動による日本の富の減少を抑える働きがあるように思うのです。
そして、その外貨準備の内訳は、ドルが60%、ユーロが20%、人民元が10%、金が10%がベストだと思います。
日本政府が、2兆ドル規模の外貨準備を持つことは、様々な批判もあると思う。
しかし、日本は世界有数の地震国である。
首都直下型地震や東海地震・東南海地震・南海地震の三連動の大地震が発生したら、
東日本大震災の何倍もの被害が発生する。
また、そのような大地震が続けて発生した場合、大変な経済的損失が発生する。
その場合も、損害保険などである程度補えるかもしれない。
だが、大地震などで原発に破局的事故が発生した場合は、損害保険の対象外になってしまう。
福島原発事故でも、結局は国民が負担することになる。
原発で破局的事故が発生した場合の災害予想をした本がある。
瀬尾 健著(風媒社)
「原発事故・・・その時、あなたは!」である。
著者の瀬尾健氏は、元京都大学原子炉実験所助手をされていた方である。
この本を執筆後に、ガンで亡くなられた。
まさに、遺作ともいえる書である。
この書の中で、全国16の原発ともんじゅ、さらに核燃料輸送中の事故について、
破局的事故が発生した場合の災害予想をしている。
もっとも被害が大きいのが、人口密集地に隣接している東海第二原発だ。
東海第二原発で、破局的事故が発生した場合の急性死者は、実に60万人以上になる。
恐ろしい死者の数だ。
また、南西方向に風が吹いた場合は、
放射性物質が飛散して 、東京都を通過。
晩発性のガン発症数は,実に800万人に達する。
ただし、瀬尾健氏が著書の中で述べているように、晩発性ガン発症者の数は、放射能物質に汚染された食品や水を摂取しなかった場合である。
実際には、外部被爆より内部被爆の方が人体に影響が大きいことを考えると、被害者の数はもっと拡大するだろう。
もちろん、福島県・関東地方1都6県・新潟県の一部
山梨県の一部,静岡県の一部は強制避難区域に指定される。
こんな事故が起きたら、本当に日本は終わってしまう。
東海第二原発の災害予想については、下記のサイトを参照。
ブログ「那珂市・ひたちなか市近郊の歯科:中川デンタルクリニック」
http://blogs.yahoo.co.jp/permer4_4/26530945.html
また、「チェルノブイリ原発事故のあと、ベラルーシのミンスク市では、脊髄損傷、脳性麻痺、水頭症など、先天性障害児の出産数は膨大な数に達し、こうした重度障害児の出生率が25倍になった。」(広瀬隆氏談)
今、生きている人たちだけではなく、これから生まれてくる子供たちにも、遺伝的障害という形で被害が及ぶ。
さらに、この災害予想には、使用済み核燃料と東海再処理工場の被害が含まれていないことだ。
また、東海第二原発で破局的事故起きたら、損害賠償額は500兆円でも足りないことは明らかだ。
国の税収が40兆円前後であることを考えたときに、
財政的にも破綻してしまう。
そして、日本の国債が、デフォルトの危機に直面するであろうことは、想像に難くない。
リーマンショックやユーロ危機を凌駕する金融危機が、世界経済を襲うことになる。
事実上、東日本は壊滅状態になってしまい、
西日本にも、深刻な放射能汚染が広がるに違いない。
それでも、日本政府が、2兆ドル規模の外貨準備を持っていれば、
しばらくの間は国民の生活を支えていくこともできるかもしれない。
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